アップルのWWDC2008でiPhone2.0が発表され、3G iPhoneの主要新規フランチャイズ先に日本が入ったことで一般紙を含むメディアで一斉に報じられた。 基本的には「今まで手に入らなかったiPhoneがついに日本でも買えるぞ!」という点が評価されていて社会現象的には興味深いが、技術動向の観点からはそこは新しくない。 要するにソフトバンクモバイルから出てくるiPhoneは、ほとんど”iPod Touch+3G回線”であり機能的にはあまり新味はない。 本日時点のインパクトは、以下の2点に要約できるだろう。 グローバル単一供給のスケールメリットによる値下げ 3G回線につながることによるオフラインの解消 1点目は「安い」ということで自明として、2点目のオフライン解消はiPod Touchと比較した決定的な進歩だ。 iPhone OSは徹底的にオンライン環境を前提としているためオフラインだと曲を聴くくらいしかできない。 だからこそ回線抜きは”iPod”だったわけで、この「あともう一歩」感を補ってきたのがjailbreakで利用可能になるユーザーアプリケーション群だった。 認知が進まないjailbreakアプリ群 iPhoneの私生児とも言えるjailbreakだが、iPhone2.0でもアップルによる”認知”は進んでいない。 現実問題としてあまりに便利なためjailbreakアプリケーション群を切り捨てることはできず、一時はアップル公式SDKの登場に異様な期待が集まった。 しかし、いざ発表されてみると90年代的なサードパーティベンダー向けの販促プログラムとセットになっていて、フリーウェア的感覚の開発者は肩透かしを食った形となった(この点についてはjailbreak’erの期待が過大だったと思う)。 今回のWWDCは開発者向けカンファレンスなのだから、iPhone2.0に合わせてもう一歩jailbreakアプリケーションを取り込む発表があっても良いところだったと思うが、けっきょく改善(?)されていない。 この点が個人的にソフトバンクiPhoneに飛びつけないポイントになりそうだ。 ケータイは個人情報のかたまりであるため何らかのセキュリティモデルが確立するまではjailbreak環境(iPhone上のフリーウェア)は公認されない、と僕は読んでいる。 となると「何でもケータイに集約するのではなく、どうせ130gなんだからiPod Touchを別で持つ」という選択肢の方が気楽で良いんじゃないかという気がしてくる。 選択ポイントは、常時オンラインとjailbreakとの互換性(?)のどちらを優先するかにかかっている。 オルタナティブ ここに来てスマートフォン周辺市場の発表が相次いだ。 このタイミングのiPhone発表は業界では公然の秘密だったとしか考えられない。 WILLCOMのD4とWILLCOM 03の発表はいかにも付け焼き刃だったし、今日のイーモバイルのEMONSTER lite発表(ITmedia)に至ってはほとんど負け犬の遠吠えとしか思えない発言まで飛び出している。 そんな中、一番シュアな印象を受けるのがGoogleのAndroid。 先日のGoogle I/Oカンファレンスのサマリー(ITmedia)からも、かなりオープンなプラットフォームにする戦略がうかがえる。 Linuxベースということもあり、先行するjailbreakの動向と合わせてフリーな環境になって欲しいところだ。 この分野はもともとAccess Linux Platform(ALP)で出来ていてしかるべきものだったが、ALPは非常に進捗が遅く竜頭蛇尾に終わりそうだ。 Androidにしても、まず開発者が遊べる実機が出てくることが重要になる。 諸般の流れを総合すると、ARMのホワイトボックスのようなものが2万円以下で入手できるようになれば面白いのではないかと思う。 結論 話がそれたようだが、要するにiPhoneは公式には期待したほどオープンではない。 Windows Mobileについてはあまり書かなかったが、過去数年にわたって体系的な戦略強化がなかったためプラットフォームとして急に魅力的になることは考えられない。 今後の台風の目はAndroid+Linuxであり、結論としてはiPhoneのオープン化の度合いとAndroidの具体化の流れをウォッチしておけばスマートフォンのトレンドを押さえることができると思う。